全国に新規開業を続けるホテルチェーンの本部として、SNSの運用をグループ全体で効率よくアップさせたい

~外部に丸投げするのではなく、社員のスキルをアップして任せていきたい~

三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社

SNS担当者育成講座
三菱地所ホテルズアンドリゾーツ様

時期:2020年度(1期生)~ 2021年度(2期生)

当初の課題
  • 各ホテルでSNSに対する取り組みにバラつきがある
  • 会社としてSNSの運用ルールはあるものの、アカウントの管理や投稿について個別に対応しているので、担当者の危機管理等の意識を高めたい
  • ホテルにとってオウンド・メディアとしてのSNSはお客様とつながる重要なツールなので、外部に任せるのではなく自社スタッフで効率よく運用したい(=資産にしたい)
  • SNSにアップする写真の撮影そのものが難しい

ステップ1

年間を通した長期的な支援として、現状を十分にヒアリング。本部と各ホテルの関わり方、ホテル側のアカウント開設・運用状況を調べつつ、対象となるホテルを選定。その後、年間のプログラム構成を本部と検討。

ステップ2

参加が決まったホテルの担当者へのアンケート、各担当者の苦手意識レベルのヒアリングをしつつ、年間を通しての活動詳細を決定(オンライン講座+分析レポートの回数・タイミング等)。 講座の内容はグループ全体のSNS運用規約と照合する。

ステップ3

講座スタート。初回は参加者それぞれの自己紹介、日頃のSNS活用状況などを共有しながら「チームで成長」する雰囲気を醸成していく。約2-2.5時間で、前半はレクチャーが多め、後半にかけて徐々に実践(ハンズオン)の割合が増える。毎回終了後にアンケート実施。

ステップ4

*初心者コースは基礎を固めてからいよいよ投稿開始。

定期的に各ホテルの投稿をチェックし、講座内やアンケート集計のタイミングでフィードバック。受講者の声やニーズを適宜本部と確認しながら、内容を差し替えるなど都度対応し、全体のPDCAを回していく。講座終了後も数か月分析レポート&質問対応でフォローアップ。次年度に向けた検討を開始。

お客様インタビュー

松本 章子様

三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社 運営推進部

2008年、株式会社横浜ロイヤルパークホテル(現・三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社)に入社。2020年4月より現職。

はじめに、松本様はどのようなお立場で、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ社の各ホテルの運営にかかわっていらっしゃいますか。

現在は本部の運営推進部 ホテルズ運営企画課にて、グループホテルの広報を担当しております。近年各地にホテルを開業しておりますので、メディアへの露出に加え、特にキャンバスシリーズでは主ターゲットであるミレニアル世代に有効なSNSでの露出を強化すべく、現地の担当者との調整や企業アカウントとしての全体の規約の設定管理を任されています。

貴社には2014年度にご縁をいただき、海外および国内向け広報・PR活動を中心としてこれまで様々な形でお付き合いをいただいてきました。大変嬉しいことに「ブルームーンさんでこんなことはできませんか」とご要望をいただき、それを弊社が形にしていくことも多い状況です。2020年度に開始した「SNS担当者育成講座」は、どのような狙い・目標をお持ちでしたか。

私自身、これまで個人の情報収集でSNSに触れる程度で、自信をもって「SNSが得意」と言える状態ではなかったので、任されたものの不安も多いところ、これまで色々お願いしていたブルームーンさんのデジタルネイティブ世代の走りである木ノ下さんが「できます」と言ってくれて心強かったです。

実際に現地担当者もSNSに慣れていない者も多いため「アカウントを開設して丸投げ」ということも難しく、継続的なサポートが必要なのも事実でした。1年目はすでに稼働しているアカウントへのブーストになるような追加知識、技術向上、もやもやの解消でした。

2年目は全くの初心者が対象で、アカウントの立ち上げ~何とか自身で投稿できる状態に持っていくことが目標でした。代行の会社さんも多くありますが、ブルームーンさんは現場の方の声を拾ってそれぞれに合った適切なサポートをしてくれたので、現場担当者が自分の手でコンテンツを作り出し、積極的に写真を撮りにいくなどモチベーションアップにもつながり、狙い通りで満足しています。

SNSに関する支援は世の中にたくさんありますが、今回は「運用代行」ではなく、時間をかけて自社の社員様に対して教育を行う、「実践型のハンズオン形式講座」を選んでいただきました。このメリットはどのような点にあると思われますか。

コロナ禍もあり非対面の形式ではありましたが、毎回講座の前にヒアリング、座学のみではない実践形式や実際の投稿に対するフィードバック、そして講座後のアンケートで改善点をさらに次回へ反映していくなど、最大限に寄り添って講座を行っていただきました。

代行を頼んで丸投げし、担当者自身はわからないままの状態より、こうして担当者自身を育成することで、サステナブルなSNS運営ができることがメリットだと思います。

各ホテルのSNSご担当は専任ではなく、他の業務と兼務で大変お忙しいと思います。その中で、年間を通してこの講座を実施するにあたり、本部のとりまとめ役として松本様が大変だった点、工夫された点はありますか。

各地にいるホテルの担当者はフロント業務や予約業務を兼任している者もおり、担当者全員が集まれる日を設定するのにシフトの調整が大変だったのと、現場との認識に差異の無い講座内容を事前にブルームーンさんと作り上げるための講座内容の企画準備も重要でした。その点は毎回アンケートで担当者の声を拾えたので、途中でレベルに合わせた路線変更など柔軟に対応してもらいつつ進められました。

1年目(中級者編)、2年目(初心者編)と続いておりますが、実際に講習を受けていただいた社員様、そして管理されているSNSアカウントにおいて、どのような変化がありましたか。特に印象的なアカウントやエピソードはありますか。

1年目は、当時各ホテルでSNS投稿をしていましたが「何となくの理解」で投稿を続けていたので、あのままではSNSの導線をきちんと理解せず時代の波に取り残されていたと思います。実際講座後に工夫しようとする担当者の姿勢が見え、フォロワーも目標値の1.5倍、講座初期と終了時を比べるとフォロワー数からは200倍近く増えました。

2年目は、アカウントの開設もできていなかった状態から、アカウント管理と投稿も現場で自走できるようになりました。

国内・海外向けともに、ホテルにとってオウンド・メディアとしてのSNS運営は欠かせないものとなっています。今後は貴社としてSNSをどのような位置づけ、方向性で活用していかれるご予定ですか。

今後はまず国内向けにSNSを活用し、積極的に発信するなどして各地で開業するホテルの認知拡大に役立てていければと思います。ホテルに様々なお問い合わせをいただくお客様もいらっしゃいますが、FAQをSNSで発信できれば現場の負担も減り、よりスムーズにホテルを利用していただけると思うので、そういった面でも活用していけたらと思います。

インバウンド復興の兆しが見えてきたら、海外向けのコンテンツも視野に入れて展開していければ理想ですね。

最後に、今後の広報・PR活動を含む貴社のSNS関連の活動について、課題やご要望はありますか。

まだ影響が続くコロナ禍で、旅行者に対する行動制限が常時変化する中、ロイヤルパークホテルズは2022年以降も各地で開業を控えているので、未開拓のエリアにどう認知拡大を図っていくかというのは常に課題としてありますね。

特にキャンバスシリーズはミレニアル世代がメインターゲットなので、彼らの「情報収集の軸がSNS中心」というスタイルに対してこちらもアプローチ方法を変えましたが、今後も工夫が必要となってくると思います。その際はまた改めてブルームーンさんにご相談させていただければと思います。

~ 松本様、ありがとうございました! ~

*所属および記載内容は、インタビュー当時のものです。

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